はじめに
母が遺してくれた大切な資産。
長男として一番避けたかったのは「相続での兄弟トラブル」でした。
相続において、価格が変動する「株式」の分割は非常に難しい問題だと考えてます。
今回、私たち兄弟がどのように「納得感」を持って公平に分けたのか、その具体的な手法を公開します。
準備と心構え:感情論を排除する
3兄弟の対面
私は3兄弟の長男で、2歳ずつ年の離れた弟が二人います。
それぞれ家庭を持っており、独立して日々忙しく過ごしています。
なかなか、兄弟がそろって集まることも難しくなってきましたが、「相続」という機微なテーマですので、電話やメールではなく、あえて実家に集まることで「誠実に向き合う」場を作りました。
数値の可視化
その場でExcelを立ち上げ、株式の情報を入力し、全員が同じ画面を見ながら議論できる環境を整えました。
「公平な価格」をどう決めるか
株価の変動リスクをどう抑えるか
株式は日によって価値が変わるため、いつの時点の価格で分けるかで不公平感が出ると思います。
「平均値」ルールの採用
- 基準日①:母が亡くなった日(1/上旬)の評価額
- 基準日②:実際に話し合い、合意する日(4/10)の評価額
この2つの期間の「平均値」を算出。これにより、一時的な高騰や暴落に左右されない「納得のいく基準値」を設定しました。
具体的な分割プロセス(Excel表の公開)
総額の把握
遺産総額を3人で均等に割るというゴールを共有。

希望有無の確認
まず最初に行ったことは、具体的に「この会社の株が欲しい」などの意見はあるか?の確認でした。弟二人に問いかけましたが、二人ともとくにそのような希望はありませんでした。したがって、次のステップとして一人当たりの割当額を念頭に置き、その額に至るまえ上から順に割り振ってみて、そのあとで微調整しよう、と話をし、合意しました。
機械的な割り当て
Excelのリストの上から順に、合計額が均等になるよう機械的に割り振ってみました(意思を入れない第一案)。
希望の調整
「この銘柄は持っておきたい」「現金化しやすいものがいい」など、個別の希望有無を聞き、微調整することにしました。
例:A社は兄弟1、B社は兄弟2、C社は兄弟3という「銘柄ごと」の割り振り。
振り返りと気づき
結果
結果的には、多少の10万円程度の多少のずれは生じましたが、1円単位で均等する必要を訴える意見は出ませんでした。
やはり、株価は時価により左右されるので、細かく均等してもあまり意味がない、と考えていたことが背景にあったと思います。
最終的に、揉めることなく、全員が「これでいこう」と合意できました。
反省点(気づき)
私たちは「銘柄ごと」に分けたが、より厳密にやるなら「1銘柄を3等分(例:1,200株なら400株ずつ)」にする方法もあったなと後日気づきました。
次に同じような機会を持つ方へのアドバイスとして、銘柄ごとの成長性の違いまで考慮するなら、株数分割も一つの手であると思います(より公平性を重視するのであれば、株数分割の方がよいかもしれません)。
まとめ
相続で大切なのは「計算の根拠(エビデンス)」と「全員納得のプロセス」だと学びました。
内部監査人の視点で見ても、今回の「平均値×対面合意」は非常に有効なコントロール(管理手法)だったと思います。
私が最も重視していたのは、「揉めないこと」。そのために、「均等に割り振ること」。
それが実現できたため、ホッと一安心できたとともに、兄弟の絆を再確認する機会になりました。

